いよいよビューポイントへ。
今日の出発は5時なので4時過ぎに起きる予定でしたが、3時頃にすでに出発するグループがあるのか、外が騒がしくて目が覚めました。
何しろ前日は19時過ぎにはベッドに入っているので、いくら体調悪くてもそう長時間は寝ていられません。
ここハイキャンプは3,500m、さすがに寒いです。ヒートテックにスウェット上下、その上にダウンを着て、さらに寝袋に入ってその上から布団を被っています。トイレ行きたいけどお布団から出たくない。w
相変わらず喉は痛いです。昨晩寝る時は少し熱っぽかったのですが、ぐっすり寝たのでそれは大丈夫みたい。
布団の中でうじうじ考えます。
お天気どうなんだろうなぁ。
トイレ行きたいなぁ。
しばらく悩んでいましたが、トイレ行きたいのが我慢できなくなってきて、イヤイヤ寝袋から出て、ダウンの下にもう一枚着て、外へ。(何処の山小屋もトイレは外にあります)
おわっ〜〜〜!!
すげー星空!
昨日の天気は何処へやら、雲はまったく無く、星と山。
地平線に近いところにぼんやり月があって、山が月明かりで赤くぼんやり浮かんでいます。
すげ〜!
これは写真撮らないと!!
まだ寝ているAさんには申し訳無かったけど、部屋に戻ってゴゾゴソとカメラのセッティングをします。
実は今回、ミラーレスのデジイチとミニ三脚を持ってきていました。
もし星空が見えたら使おうと、ライブコンポジット用のリモコンも。
外に出て設定を色々変えてみて撮影してみますが、どうも上手に撮れない。
マニュアルフォーカスの∞側がうまく出ないのです。
あとシャッター速度の選択がうまくいかない。
実はこのカメラ、前回A.B.Cの時にデカいデジイチが重くて後悔したので、小型のミラーレスにしようと比較的最近買い足したもの。また使い方に慣れていないのです。
もっと練習してから持ってくれば良かった…
外は激寒(おそらく氷点下10℃近いと思う)なので、長時間居られません。
何回か部屋と外を往復して(Aさんごめんなさい)色々いじってやっと撮れたのがコレ。
満天の星とぼんやり浮かぶアンナプルナサウス。
この時点でもう月は沈んでしまっていて、山はぼんやり。
でもその分見える星の数は増えていて、空じゅうが星という感じでした。
ホントはもっと綺麗だったんだけどなぁ…
技術の未熟さが悔やまれます。
この冬は実家(信州)でしっかり練習しておこう。ライブコンポジットも。
こちらはマチャプチャレ。
手前の山小屋の光と、ビューポイントへ向かうトレッカーのヘッドランプの明かりが転々と続いています。
これらを撮っている間に、流れ星を何個も見ましたよ。^^
バタバタやってるうちにAさんも起きてきて、出発の準備です。
ビューポイントまで行って午前中に戻ってきますので、必要なカメラと水だけザックに入れて、後は置いていきます。
チャパティーとゆで卵の朝食(半分しか食べて無いけど)を取って5時出発。
まだ真っ暗なのでヘッドランプを付けて。
向かうビューポイントは4,200mなので700m一気に上げます。
だんだん明るくなってきました。
最終のビューポイントまではまだ距離があります。
モルゲンロートを見るために急いで手前の第一ビューポイントへ。
きた〜っ!
朝日に染まるアンナプルナサウスとヒウンチュリ。
感動です。
マチャプチャレはサイドから朝日が当たるのであまりはっきりとモルゲンロートにはなりません。
今登ってきた道も赤く染まっています。
建物がハイキャンプ。
パノラマもどうぞ。^^
一通り感動し終わったところで、目的地のビューポイントに向かいましょう。
これがまた結構な岩場でして、キツイ。
呼吸も少し苦しい気がします。
4,000m超えると空気薄いの?とか良く皆さんに聞かれるのですが、自分は薄い気がします。でもハアハアするのは単に体力ないからかもしれないので、良くわかりません。
ので。「うん、ちょっと薄いと思う。」と答える事にしています。ww
スクさんはさっさと登って、少し上の岩の上に仁王立ちでこちらを見ていたり、岩に座っていたり。思わず「ショッカーの怪人かよ!」と。w
後でスクさんに「仮面ライダーって知ってる?」と聞いたら知らないというので説明しておきました。
あとちょっと!!
お茶屋さんのところまで到着。
4,200mの尾根にお茶屋さんがあるってのも驚愕だけどね。w
ここからM.B.C(マチャプチャレベースキャンプ)へも行けるんですね。
ということはA.B.Cへも行ける。一粒で二度美味しいコースもあるんだ。
三倍辛そうだけど。w
ホントのビューポイントはこの上。
来た〜〜っ!!
ついに到着です。素晴らしい眺望。
今までの辛かった事を全て忘れます。来てよかった。
喉痛いけど、頭くらくらするけど、しゃがんで立ち上がると平衡感覚おかしいけど。
顔は笑ってしまう。そして見られて居ないところでちょっと泣く。^^;
突き抜けるマチャプチャレ。
アップで。
アンナプルナ山系で、いやヒマラヤ全域でこの山が一番美しいと思う。全部をリアルで見たわけじゃ無いけど。w
このタルチョとネパール国旗がいい感じですよね〜。
左から、アンナプルナサウス(7,220m)、ヒウンチュリ(6,441m)、アンナプルナワン(8,091m)はヒウンチュリの後ろ、ロックノアール(7,485m)、ガンガプルナ(7,454m)、マチャプチャレ(6,993m)。…でたぶん合ってると思います。
このまま続く尾根を進むとマルディヒマールBCへ着きます。そして写真の右端、マチャプチャレの手前にあるのがマルディヒマール峰ですね。
アンナプルナサウス
ヒウンチュリ
アンナプルナワン(左)とロックノアール(右)
アンナプルナワンの下にA.B.Cがあります。
ワンワンとAさんとアンナプルナ。カッコいいショット。w
ワンワンはたぶん下のハイキャンプの住人です。誰かについてここまで来て、我々と一緒に降りました。
そして元気なAさんはこのピークの少し先のM.B.Cが見下ろせるポイントまで一人で歩いて行きました。自分は電池切れてるのでここで留守番w
デジイチの望遠で見てみると。何やってんだ?
たぶんAさんのブログで解明されるでしょう。ww
登ってきた道。
この尾根の右側の谷がA.B.Cへ続くルートで、登ってくる時には下にチョムロン村の明かりも見えていました。
最後にもう一枚。
ありがとうマチャプチャレ。
来た道を戻りましょう。
あとは降りるだけ…と思ったら、帰りがキツかった。
熱が出てきたのかぼーっとしてきてしまい、歩いててフラフラします。
時々吐き気がして、立ち止まる事もしばしば。
どうやら軽い高山病の兆候のようです。
この頭がフラフラする感じと吐き気は、一昨年にA.B.C(4,100m)に向かっている時にもありました。1泊して翌日には治っていたのですが、今回は一気に4,200mまで上げてあまり時間も経っていませんので、下山中に兆候が激しくなったものと思います。
ハイキャンプに戻ったら1〜2時間休ませて欲しい旨スクさんとAさんに伝えて、なんとかゆっっくりと降りて、11時になんとかたどり着きました。
熱があったのでAさんにバッファリンをいただいて飲んで、そこで2時間近く休んでいたら吐き気は無くなり頭もしっかりしてきましたので、はやり風邪で体調イマイチのところに高山病の軽い兆候が出ていたようです。
高い所は平気だと思っていたのですが、A.B.Cの時も含めて意外に弱いのかも。
これではいつかは行きたいと思っている、エベレスト方面のカラパタール(5,550m)は厳しいかな〜。少なくともヘリが使える保険は必須ですね。w
宿の外にあったバケツ。2cmくらいの氷が張ってました。
はやり夜は相当冷えてますね。
13時にハイキャンプを出て下山開始しました。
しばらく歩くとスクさんが「ヤクのミルク飲みませんか?」と。
自分「ダイジョウブ?お腹壊さない??絶対大丈夫?」
スクさんが大丈夫だと言うので挑戦することに。
仔ヤクの居る小屋へ。
仔ヤクかわいい!
小屋の中のヤクの毛皮の敷物に座っているとお尻をペロペロ舐めてきて、ズボンがベチョベチョになります。^^;
小屋のおじさんがミルクを温めてくれます。
そっか!温めてくれるんだ。それならお腹は大丈夫ですね。
はじめてのヤクミルク。
美味しい〜♪ 臭みとかはまったく感じず何も入れてないのにほんのり甘い。意外にサラッとしています。
たぶんスクさんが一番飲みたかったのではないだろうか?w
おじさん(と言っても自分より相当若いw)ありがとう。
ここで70頭近いヤクを放牧しているそうです。
どうやって管理してるんだろ?凄いですね。
ヤクミルクパワーで元気になって、その後はサクサクと降りて16時にローキャンプに到着しました。
そう、途中からまた雲の中です。
食欲も出てきて夕飯はチョウメン。
これ、焼きそばというよりナポリタン、ケチャップ味で野菜とツナが入っていて不思議な美味しさでした。寒いのでお湯割りのロクシーも美味しい。
トレッキングコースにあるロッジ(山小屋)のメニューはだいたい同じです。
これはハイキャンプのですが、見た目もほぼどこも同じ。
メニューは豊富です。
全部出来るのか疑問ですが、どこでもほぼ出来るようです。
ただ、同じもの頼んでも宿によって味付けがまったく違ったりもします。
そして標高が上がるにつれ値段も上がります。
でも3,500mのハイキャンプでもこの値段ですので日本の山小屋ほど高くはありませんね。
だいたいダルバートが一番安くてボリュームがあって美味しいです。
あとオススメは、ベイクドまたはフライドボテト。ネパールの山のじゃがいもは美味しいのです。フライドポテトもベイクドポテトも見た目あまり変わりません。乱切りのじゃがいもを油で炒めて味付けたヤツです。
あとは野菜を育ててるところではベジスープかな。標高上がると下から持ってきた野菜になるので貧相になります。
パン系の定番は小麦粉を水で伸ばして焼いたチャパティーと、小麦粉とベーキングパウダーで揚げたチベタンブレッドですね。
飲み物の定番はやはりチヤ(マサラミルクティー)とホットレモンかな。
そしてこれを見てもらうとわかるのですが、
ROOM CHARGEのところ。
Room Without Foodの値段が他と比べてとても高いですよね。
食べのを食べてもらってなんぼの商売なんです。
なので、ガイドのスクさん無しで自分みたいに食べない人間が泊まると嫌われると思います。笑
今日はとっても疲れたので19時には就寝しました。
写真が美し過ぎて 惚れ惚れします!
何だか記憶の中の実物よりも美しく感じます。
筆太郎さま
ありがとうございます。
でも、あの雄大な感じが写真ではなかなか出ないんですよね。あの迫ってくる感じ。
難しいです。